ノアザミ

 

ノアザミの花にはたくさんの昆虫が集まります。花の下部の総苞は盗蜜防止でべたつき、バッタやハチなどがくっつきます。花の先端の白いものは花粉、先端が二股は雌しべ。雌雄は時間差で開き、同花受粉を防ぎます。

 



ブタナ

 

ブタナはたくさんの花が集まった花(集合花)。

 

ひとつの花を取り出すと、各々に雌しべと雄しべがあります。雄しべは虫に押されて管の中から突き出て、時間差で先端が二股の雌しべが現れます。

 



ミズバショウ

 

 

夏のミズバショウ。春先の姿と大きな違いです。巨大な葉がバナナの木の葉に似た芭蕉布に似ているので命名。

 

左下の果穂が崩れ、果肉をつけたまま水に流れ、種子は3年程度で開花します。冬眠明けの熊が食べますが、体内の老廃物排出のための下剤です。


ウメバチソウ

 

 

湿地で見かけます。外側に細くてたくさんの仮雄しべが並んで蜜を出し、その内側に5本の太い雄しべが1日に1本ずつ立ち上がり、反り返りながら花粉を飛ばします。

 

最後に真ん中の白い帽子の雌しべが出て、雌雄成熟の時期を時間差でずらしています。


ギンリョウソウ

 

 

薄暗く湿った所に見られる腐生植物。緑の葉緑素がないので光合成はできず寄生して生存。

 

 

地下の根でベニタケ等の菌類に寄生して栄養を得ている。妖しい姿から別名「幽霊茸」。


ゴゼンタチバナ

 

名の由来は白山の御前峰で発見され、赤い実がカラタチバナに似ることから命名。

 

 

花は葉が4枚ではつけず、6枚になってから花を咲かせて赤い実を数個つける。実は薬用酒として利用。


ニッコウキスゲ

 

 

高原の花の代表選手。亜高山帯の草地や湿地に生える。日光に多いので命名。

 

朝開いて夕方にはしぼむ一日花。シカの食害で危機的状況。種から育てると7年。

 

昔は根を食用にし、蕾は酢漬けにして食べたという。


モウセンゴケ

 

 

焼額山頂の稚児池で見られる。水滴のような粘液が放つ甘い香りでハエやガなどの小さな虫をおびき寄せる。

 

 

虫が動けば動くほど腺毛で覆い、徐々に溶かして養分を吸収する。貧栄養の環境で生きる植物の知恵である。

 


ヤナギラン

 

葉がヤナギに似て、花はランに例えて命名。ラン科ではなくアカバナ科。

 

スキー場等にいち早く侵入するが、土壌が安定すると他の植物に駆逐される。

 

下から徐々に咲き上がることで、虫を呼ぶ受粉の機会を長くしている。


森のアンテナ

 

カヤノ平のブナ林で見つけました。足下に小さなアンテナがブナの森に向かって電波を放ち、何かを探査しているかのようでした。

 

キノコは森の分解者。全ての生物を分解し、Ca、Na,K等の無機物に変えて土壌をつくり、森の循環を支えています。

 

          ウツロイイグチ?

             タマゴタケ



ヒカリゴケ

 

 

 

暗い岩の中をのぞくと金色に光って見えますが、自ら発光せず、外からの光を反射して光っています。

 

 

わずかな環境変化で枯死してしまいます。洞窟の開発・大気汚染・乾燥化の影響で減少。現在は準絶滅危惧種で天然記念物になっています。


苔の世界

 

日本には世界の十分の一にあたる1800種あります。 

 

森の中では地面、岩、倒木、幹などに生え、根は仮根と言い土壌は必要なく、水分や栄養は主に雨や露から吸収しています。

 

苔は植物の祖先。4億年前に上陸した藻から進化して、小さいながらたくましく生き抜いています。

 

     ウロコミズゴケ

        カムリゴケ

       ウマスギゴケ